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おしゃか様と小鳥たち

 阿蘇山を遠見(とおみ)が鼻(はな)へんから眺めると、ほんなこつおしゃかさんの、寝とんなはるごつ見ゆるでっしゅが。根子岳(ねこだけ)がお顔、高岳(たかだけ)は胸、住生(おうじょう)・杵島岳(きしまだけ)は足のところですたい。そっで、こぎゃん話の残っとるちゅうわけですな。おしゃかさんな病気になんなはって、もう自分の命の残り少のうなったこつば悟っておられた。そこで、かわいがっていた鳥たちを集めることにされた。

 真っ先に駆けつけたつが、スズメ。

「ああ、よくきてくれました。あなたは取り入れの時、人間より先に米でも麦でも食べなさい。」

 おしゃかさんな、そげん言いなはった。キジは、だいぶ遅れちやって来たんで、皆ん前じ恥ばかいた。そっで、目のぐるりが紅(あこ)うなっとるでっしゅが。

 一番最後に来たつがツバメだった。ツバメは、とてんお洒落(しゃれ)な鳥だったもんで、知らせを聞いた時にゃあ、お化粧(けしょう)の最中(さいちゅう)だった。口のまわりに紅(べに)ばつけちやってこらした。おしゃかさんな、ツバメに、

「お前は、いざという時には役にたたない。それでは、みんなに申し訳がたつまい。」

そげん言われて、土や虫を食い、水を飲うじ暮らすごつなった。そげな訳じ、

「ツチクテ、ムシクテ、ミズノウジ、ノチニナニクオウ、ジー(土食うて、虫食うて、水飲んで、後に何を食おう)」

ちゅうて、軒先(のきさき)にとまったツバメは、それ以来、そげな鳴き方ばするごつなつたてったい。

 最後まじ話しば聞いちもろち、頂上(ちょうじょう)だんだん(大変ありがとう)。そんならまた。

参考

くらしのあゆみ 阿蘇 -阿蘇市伝統文化資料集-


カテゴリ : 文化・歴史
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