ホーム > おしゃか様と小鳥たち
おしゃか様と小鳥たち
更新日: 2010-03-19 (金) 22:36:02 (5145d)
阿蘇山を遠見(とおみ)が鼻(はな)へんから眺めると、ほんなこつおしゃかさんの、寝とんなはるごつ見ゆるでっしゅが。根子岳(ねこだけ)がお顔、高岳(たかだけ)は胸、住生(おうじょう)・杵島岳(きしまだけ)は足のところですたい。そっで、こぎゃん話の残っとるちゅうわけですな。おしゃかさんな病気になんなはって、もう自分の命の残り少のうなったこつば悟っておられた。そこで、かわいがっていた鳥たちを集めることにされた。
真っ先に駆けつけたつが、スズメ。
「ああ、よくきてくれました。あなたは取り入れの時、人間より先に米でも麦でも食べなさい。」
おしゃかさんな、そげん言いなはった。キジは、だいぶ遅れちやって来たんで、皆ん前じ恥ばかいた。そっで、目のぐるりが紅(あこ)うなっとるでっしゅが。
一番最後に来たつがツバメだった。ツバメは、とてんお洒落(しゃれ)な鳥だったもんで、知らせを聞いた時にゃあ、お化粧(けしょう)の最中(さいちゅう)だった。口のまわりに紅(べに)ばつけちやってこらした。おしゃかさんな、ツバメに、
「お前は、いざという時には役にたたない。それでは、みんなに申し訳がたつまい。」
そげん言われて、土や虫を食い、水を飲うじ暮らすごつなった。そげな訳じ、
「ツチクテ、ムシクテ、ミズノウジ、ノチニナニクオウ、ジー(土食うて、虫食うて、水飲んで、後に何を食おう)」
ちゅうて、軒先(のきさき)にとまったツバメは、それ以来、そげな鳴き方ばするごつなつたてったい。
最後まじ話しば聞いちもろち、頂上(ちょうじょう)だんだん(大変ありがとう)。そんならまた。
参考
索引 : お
このページのURL: