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こって牛

概要

こって牛は今の耕運機やトラクターに相当する働きをしていました。体格が大きく足が頑丈なため、けん引力に粘りがありました。とくに湿田で威力を発揮し田を鋤きました。こって牛の耕起能力は湿田で一日15㌃、畑で一日30㌃といわれています。利口な牛は飼い主の声を聞き分け、からひき(口元につけてある綱)での命令もよく理解していました。
こって牛の飼料の草を刈り取ってくるのは、昔からその家の少年の仕事として受け継がれてきました。各農家の少年たちは学校から帰ると、近所の友達と誘い合って外輪山の坂道を登り、広い草原で小鎌を使って草を刈りました。
刈り終えた草はい稲手(藁の先端を結んで結束に使う)で結び、「やまほこ」(木や竹の両端を削り、草に刺す用具)に刺して「かたげ草」にします。これを、肩にバランスよく担いで再び坂道を降りて帰りました。草が短く結びにくい場合は「ふご」(藁で編んだ入れ物)も使いました。草の重さは約20㎏もあり、長時間担ぐと肩が痛くなったそうです。
少年たちは父親からの命令がなくても、日課として友達同士で楽しく山を登っていました。


カテゴリ : 生活
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