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カルデラ埋積層

概要

大量の火砕流が噴出すると火山体の内部が空洞化していきます。そして、この上部が陥没すると鍋状の窪地ができます。これが陥没カルデラと呼ばれるものです。その後、この窪地に形成された湖に、火山灰や周囲の山地から運ばれてきた粘土、シルト、砂、礫などが堆積してカルデラ埋積層(湖成の堆積物層)をつくり、これらは、阿蘇谷層あるいは内牧層などと呼ばれています。その厚さは、阿蘇谷の基礎岩である花崗岩類の深度分布から見て、深いところで500㍍以上に達するものと考えられています。
この厚い堆積層の間に何枚かの凝灰岩層や軽石を混入した地層が挟まっています。この現象は、カルデラ湖が形成されてから間もなく、中央火口丘の火山活動が始まったことを意味しています。この中央火口丘の活発な活動とともに、後背地からは多量の土砂が供給されます。地下水の帯水層となる砂層や礫層は、厚い層をなすこともありますが、粒子が細かく水を透しにくい粘土質やシルト層を挟みながら何回も堆積を繰り返しており、その厚さは様々で、また水平方向の連続性もあまり良くありません。内牧の宝泉橋におけるボーリングコア地層中に含まれる堆積当時に生えていた植物の花粉分析調査の結果からは、同地点では深度77㍍~7㍍までの約70㍍の厚さの地層は、最終氷期である約1万8,000年前から5~6千年前の間に堆積したものであろうと推定されています。
このように、阿蘇谷の地層が堆積した年代は比較的新しいものであり、また、そのことが阿蘇谷特有の地形をつくっています。地層は、まだ未固結の部分も多く、軟弱地盤となっています。
また、この堆積層の間には何枚かの中央火口丘の溶岩流を挟み込んでいることも、ボーリング結果から確認されています。この溶岩流のクラック部は、中央火口丘山腹で浸透した地下水を阿蘇谷の低地部に直接運ぶパイプの役目をしています。このため、宮地などのように溶岩流の末端が分布するところでは、大量の被圧地下水が見られるなど、地下水開発にとっては重要な地層です。
この溶岩流は墳出源からの延長は数㌔以上に達しますが、その溶岩流が流れる幅はせいぜい数十㍍から数百㍍と狭いことが多い。このため地上から井戸ボーリングした場合に、この溶岩流の部分に当たれば大量の地下水が期待できるが、水をあまり透しにくい粘土やシルトなどの層に当たると地下水の採取可能量は小さくなります。

参考

阿蘇一の宮町史 阿蘇山と水

カテゴリ : 阿蘇の自然
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