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入会権

入会権牧野組合

もともと入会権とは、一定地域の住民が一定地域の山林原野などで生活のために採草や薪炭用雑木を共同収益する慣習上の権利です。
これは、共有物の所有権や使用権、あるいは公有財産の使用権として、民法や自治法に認められています。
阿蘇郡では蘇陽町小国町高森町などに、民法に基づいた共同利用型の入会地が多い。一方、一の宮ではこれとは対照的に、町有入会地を使用するとした自治法に基づく入会が行われてきました。
現在、入会地である阿蘇の草原は、牧野組合によって管理されている。入会地は阿蘇郡全域で約2万1900㌶、そのうちの約3分の2が野草地である。入会地面積は郡内の全入会地の約半分を占めます。

平成8年度の旧一の宮町の畜産統計を見ると、繁殖牛飼育農家219戸、繁殖牛は1912頭。成牛1頭あたりの入会地占有面積を計算すると4.8㌶になります。この数字は阿蘇郡平均2.4㌶の約2倍に当たり、したがって旧一の宮町の草原にはまだゆとりがあり、さらに飼育頭数を増やすことが可能という見方もできます。
ところが現実はその逆であり近年、組合員の中に牛馬を飼育しない農家が増えてきています。農作業の機械化により役畜の必要性がなくなり、化学肥料の使用増加で厩肥に対する依存度も低下したためです。
平成8年には、旧一の宮町の牛馬飼育者は全町内牧野組合員の30%台にまで急落しました。
入会権は利用権だけでなく、草原の管理業務を前提としています。牛馬の飼育をやめれば、草原自体が荒れ野と化します。このまま飼育農家が減少すれば、間違いなく阿蘇の草原は危機に瀕することでしょう。


カテゴリ : 文化・歴史
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