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八大竜王様(はちだいりゅうおうさま)

 八大竜王様ですな、中通(なかどおり)の下原(しもばる)にあるところの神社ですたい。それが昔からの人の話にメッチエンばあさんちゅう人がおんなはった。私が考えたのに、メッチエンちゅうは女ですな、オッチエンちゅうが男らしいですな。メッチエンばあさんちゅうは、女のばあさんちゅうことですな。

 その人が機織(はたお)りよったら、雷(かみなり)さんがおてかかりなはったそうですたい。でも、いさざ気の激しいばあさんじゃったき、側におりてから薙刀(なぎなた)を引き抜いてですね、雷さんに切りつけたてですたい。そしたら雷さんが眉間(みけん)を割られて怒って

「七、八代祟(たた)る。」

ちゅうて天に昇っていったそうです。

 それからその人は機を織りよったけどですな、そこはそこまでだけど、私が城山(しろやま)ドライブインに行きよった時、夜ですな荻(おぎ)の草(くさ)の人が来よんなはった。その荻の草ん人ちゅうが昔は日野峠(ひのとうげ)に住んどってですな。ある時、草を刈りよったら昔のことだったから火をつけよったらですな。大蛇(だいじゃ)がおって、竜ですたいな。

「まあ3日待ってくれ、お産をしよるから。」

というので、3日待って火をつけたそうです。そしたら竜がですな、すうっと天に昇っていったそうです。そこのいわれの神様が八大竜王様って、その人は言いなはっとです。

 だけどですね、下原の伝説では、メッチエンばあさんが切りかかった年から火事がありだしたそうです。何軒でん焼くるそうです。そっで、こりゃちゅうてからですな、こんだ病気が始まった。病気が始まって死に絶(た)ゆるごっなるもんで、神様に拝(おが)んだそうです。

 そっで、あそこに八大竜王様の像をまつったけど、どうしても雷さんの眉間が割れるそうです。こりゃいかんというて、頼んで刻んでもらったけどまた割れる。八ぺんも刻んでも皆割れる。しょうがないのでそのまま拝みよったら、頭の痛い人は頭がよくなるちゅうて、それから皆(みな)参(まい)るそうです。お礼には竹の皮のバッチョ笠とサイコンヅツをもってですな、お参りするといいちゅうですな。

 私の子どもんころ、大きい箱いっぱいバッチョ笠があがっとったですたい。笠ばかぶってサイコンヅツでトントントンと頭ば叩くと、とてん不思議(ふしぎ)に頭がよくなるそうですたい。八大竜王様は頭痛の神様ちゅうて、皆参り出したちゅうこっですたい。

 雷様のお詫(わ)びに作った神社だけど、頭痛の神様ちゅうて今でもあすこにありますでっしゅが。ところが最近みたら誰かすり替えたっちゃなかろかな。下原のある家のですな、先祖(せんぞ)だったでしょうな、そのおばあちゃんが。それで8月の28日じゃったかね。あの日にゃみんな寄ってな、お魚やお酒や煮(に)しめなんか持ってですね、お祭りをするそうです。昔は夜通(よどお)ししよったらしか。それは8軒ですもん。今どおり続いとるち思います。

参考

くらしのあゆみ 阿蘇 -阿蘇市伝統文化資料集-


カテゴリ : 文化・歴史
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