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八間飛びの縞わくど

民話

八間飛びの縞わくど

大雨上がりの日に、一人のおじいさんが道を急いで行きよったと。

そしたら、道のまん中にしまわくどが出ちょったちったい。

「こげな道の真中に出て来るとあぶねえばい。早ようそっちよけんと、馬かる踏みしゃがるばい」

と言うと、

「いらん世話たい。わたしゃかくれんでんよか」

と言うて情識したそうなたい。

おじいさんは帰り道そこば通りかかったと、見たとこりがあん縞わくどは踏みしゃがれ、ジゴば出して死んじょったと。

「どうか見ろ、人ん忠告は聞かんとき」

ち言うちかたじ、片付けちやんなはったと。

*「人の忠告は聞かにゃいかん」とおじいさんは言ったと。

情識:じょうしき:勝手な考え、わがまま。

参考

くらしのあゆみ 一の宮 -一の宮町 伝統文化研究会-
 昭和7年頃 古城東手野 70歳のおじいさんより採話 後藤(山辺 チモト)


カテゴリ : 文化・歴史
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