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北向山

概要

北向山の位置

JR立野駅の対岸にうっそうと茂る原生林が見えます。この山が北向山です。一般的にに北向山と呼ばれていますが、この地域の天然記念物としての名称は「阿蘇北向谷原始林」となっています。山頂から戸下トンネル上部に伸びる尾根の南東部が旧久木野村、北西部が大津町に属しています。

北向山は、外輪山を白川が削った北向きの急斜面と、その東側の南外輪山の一部からなり、その面積は100haほどです。その最下部は標高約200mの白川の水面から500mほどの高さに切り立った断崖となっています。その上部は急な斜面が俵山から伸びてきた尾根の先端部にある979mの標高点まで続いています。この急斜面にだけ自然林が残されていて、その標高点から俵山に続く尾根と外輪山内外の斜面は一面の草原となっています。

北向山の植物

阿蘇地域に残っている森林の中で、標高の最も低いところにあるのが北向山の森林です。北向山はスダジイ・ウラジロガシなどからなる照葉樹林です。手つかずの原生林のまま残っているところは、全国的に見ても大変貴重なものになっています。北向山は、その残り少ない森林の一つであり、国の天然記念物にも指定されています。
林内にはスダジイ・ウラジロガシ・アカガシ・タブノキ・イスノキ・ヤブニッケイヤブツバキ、アラカシなどの照葉樹が混成し、高さ15mから20mの森林をつくっています。高い木の多くは斜面の下部ではスダジイやイスノキですが、標高300mを越えるあたりからウラジロガシが多くなります。地面には、クマワラビ・ハカタシダ・アリドウシ・ヤブコウジヤブランジャノヒゲ・キジョランなどが見られますが、上部がよく茂った照葉樹で覆われているうえに、急斜面であるために林内は薄暗くなっています。、各所に垂直に立つ岩場が見られ、岩上にはハコネシダやイワタバコなどが付着しています。
北向山下部にはキジョラン・オオバウマノスズクサ・ツルグミ・ムベ・アケビなどのつる植物が多く、上部では照葉樹が減少して夏緑樹のケヤキ・カエデ類・シデ類・エゴノキ・ヤマボウシなどが多くなります。

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カテゴリ : 阿蘇の自然
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