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北風

一.身を切るような 北風の 吹く夕暮れに
  姉妹 帰りを急ぐ 野中道
  八つばかりの 女の子 袂を顔に押し当てて 一人
  しくしく 泣いている
二.姉のおつるは 立ち寄って 何でそんなに
  泣いている もしお腹でも痛いのか
  落し物でもしたのかと その子の肩に
  手をかけて 言葉優しく慰める
三.それを聞いた 女の子
  「いいえそうではありません」
  わたしは前から目が悪く 杖を頼りに歩きます
  今その杖をもぎ取られ 帰りの道がしれません
四.そんな悪さを 誰がした 悪い子供が
  大勢で わたしの手から もぎ取って
  取った音はしましたが 悪いことには
  目が見えず 探す事さえ 出来ません
五.それを聞くなり 妹の お文は急ぎ
  道端を 其處か此處かと 探すうち
  少し離れた 草むらに
  ようやく杖を見つけ出し それを拾って
  取ってやる
六.めくらは杖を 受け取って ああ有難う御座います
  嬉しい事と礼言って 見えぬ目ながら
  見返れば 二人も後を 振り返る

参考

くらしのあゆみ 一の宮 -一の宮町 伝統文化研究会-



カテゴリ : 生活
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