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噴出物

概要

中岳の噴火の特徴は火山灰を大量に噴出する灰噴火です。上空に噴き上げられた火山灰は、遠方で灰黒色の火山灰層をつくります。偏西風帯にある日本では通常、噴煙は東に流され、火山灰の分布も火山の東側に偏ります。しかし、阿蘇中岳の火山灰の分布は円形に近い。これは、中岳の灰噴火の噴煙が低いために地上風の影響を受けたためと考えられます。
最近1万5千年間の堆積物には、腐植に富む黒ボク土層が挟まれており、年代測定などによって年代のわかっている層準が沢山あります。多量の腐植を含む黒ボク土層の存在は活動の長い休止期または静穏期を意味し、それらの間に挟まれる火山灰層は、火山活動の活発な時期の堆積物です。活動の活発な時期の火山灰層はいくつかの噴火の産物で構成され、必ずしも1回の噴火による堆積物ばかりではありませんが、大きくは一連の活動期と捉えることが出来ます。
このような考え方と顕著な黒ボク土層の数から、約6千3百年前までの中岳の活動のおおよその周期は約500年程度と推定されます。

参考

阿蘇火山の生い立ち

カテゴリ : 阿蘇の自然
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