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国造神社

概要

阿蘇北外輪の山懐(やまふところ)深く、木々の緑に包まれて連なる集落が手野地区(てのちく)です。
国造神社(こくぞうじんじゃ)は、手野の中央に位置し、渓谷の清冽(せいれつ)な流れに添うように、(けやき)の白木造りの美しい姿で鎮座しています。境内に隣接(りんせつ)したところには、上・下御倉古墳などがあり、自然と歴史に満ち溢れています。

所在地情報

標高550m 北緯32° 59′ 23″ 東経131° 7′ 28″(60進法表記)

国造神社 (市指定有形文化財・市指定記念物)

 国造神社創建(そうけん)は、崇神天皇(すじんてんのう)18年と伝えられ、祭神は健磐龍命(たけいわたつのみこと)の第1子の国造速瓶玉命(はやみかたまのみこと)雨宮媛命(あめのみやひめのみこと)高橋神(たかはしのかみ)火宮神(ひのみやのかみ)の4神がまつられています。速瓶玉命は、阿蘇を開拓した健磐龍命の意志を継いで農耕を広め、畜産・植林などにも力を尽くし、阿蘇初代国造とされています。阿蘇神社の北側に位置するので北宮(きたのみや)とも呼ばれ、古くから朝廷の尊崇はもとより、民衆の信仰も厚い神社です。

 社殿は、本殿が正面4間の側面2間で、拝殿(はいでん)は正面3間の側面3間あり、いずれも入母屋造の銅板葺です。肥後藩主の細川綱利の命により寛文13年(1673)に造営され、それを裏付けるように本殿の棟札(むなふだ)が発見されています。社殿の彫刻などの意匠は、当時の神社建築により造られており、その後に何回かの改修が行われているようです。また、境内末社として、神話にゆかりのある大鯰の霊をまつる鯰宮があります。鯰の研究で知られる秋篠宮殿下が参詣されたこともあります。

 境内には、樹齢2000年を超え、速瓶玉命のお手植えと伝わる元国指定天然記念物手野の大杉」があり、傍らには後継樹も植えられています。平成3年の台風により折損し、国指定は解除されましたが、幹と根にそれぞれ上屋を建てて保存されており、現在でも国指定にふさわしい堂々とした姿が見られます。大杉の隣には、ホオの木(朴の木)があります。樹高約34m、幹回り約4.7mで、5月頃に黄白色の直径15㎝ほどの花が咲き、その姿はいかにも神秘的です。九州では珍しい大木とされています。

 そのほか、平成2年の台風で折木した桧は、拝殿の前で美しい姿を見せていました。それに見入った女流俳人の黒田(くろだ)杏子(ももこ)は、文芸春秋にエッセイとして目の前で神社にすむ白蛇を見たことを発表し、「蛇穴を 出て神木の 枝の先」という俳句を詠んでいます。

 境内の高台からは、田園の彼方に阿蘇五岳が連なり、周辺には数多くの古墳がロマンを秘めるかのように点在しています。キラキラと光り溢れる宮川等の自然の静かなたたずまいを見せるこの地は、正に阿蘇文化のあけぼのそのものです。

映像

国造神社で行われる、おんだ祭の様子をご紹介します。

眠り流し

国指定無形民俗文化財「阿蘇の農耕祭事」~国造神社眠り流し。「えもり流し」とも呼ばれています。
この祭事以降は田歌を歌うことができないとされています。

写真

国造神社

ホオの木

手野の大杉

参考

~文化財を大切に~  みんなで護ろう文化財



カテゴリ : 文化・歴史
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