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温泉の植物

概要

中央火口丘西部の南阿蘇村にある地獄温泉や湯の谷温泉の雀地獄、外輪山東北部の南小国町黒川温泉の雀地獄など「地獄」といわれる地名は、火山地帯の温泉付近に特有で、「硫気孔があるくぼ地」ということで共通しています。「硫気孔」からの火山性ガスには植物の生育に有害な二酸化硫黄なども含まれており、火口周辺の火山荒原と似て植物にとって苛酷な成育環境となっていて、生育している植物もイタドリススキ、トダシバ、ノリウツギのほか、イワマセンボンゴケや九州固有の特殊な希少植物であるツクシテンツキなどに限られています。

地獄、湯の谷、垂玉、栃木などの温泉には20種の藍藻と4種の緑藻の生育が知られています。
温泉水が流れる場所はもちろん、硫気孔付近の岩上にはコロニーをなすことさえあります。
温泉は高温で、しかも種々の鉱物質を多量に含んでおり、今日では植物にとっては極めて特殊な成育環境に思えるかもしれませんが、地球創世記の原始の海と最も似た条件を備えているとも考えられ、生命の誕生、生物の進化を考えるうえで意義のある貴重な場となっています。

外輪山東北部の南小国町満願寺温泉の志津川には淡水産紅藻のオキチモズクが川底の石の上に生育しています。

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カテゴリ : 阿蘇の自然
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