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湯女の話

民話

湯女の話

 塩塚のはずれに東岳川が流れているが、水量は少なく、大水の時以外は、水は川の中心部をすこしばかり流れているていどである。

昔のことだから木橋がかかっていて、橋の下には時には乞食や流れ者がかわらをしいて、雨露をしのいだりしていたにちがいない。

ある夜、橋を通りかかった若者の耳に、たしか女のやわらかい味のある声が聞こえたようだった。

あやしげな声だったので、思わず橋の下をのぞくと薄もやの中に裸身の女の肩が浮かんで見えた。

 若者は夢かと目をこすると

「どなたかしらんばってんお湯にはいんなはらんか」

と手招きした。

若者は全身に冷や汗をふいて、たちすくんだ。

湯女が出るといううわさが立ったが、実はよしという橋のふもとの家の女房で、風呂を橋の下にたてていたのだった。

からかいも程々にしてもらわらないと困る。

参考

くらしのあゆみ 一の宮 -一の宮町 伝統文化研究会-
 高橋 佳也


カテゴリ : 文化・歴史
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