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牧番小屋

概要

外輪山上に連なる草原が尽きる旧一の宮町と南小国町の町境、志賀瀬川の渓流にそって僅かに開けた水田とともに、下荻の草、舞谷(ももたに)合戦群(かしのむれ)、矢加部の約30戸の集落が点在しています。ここで暮らす人々は草原に走る1本の野道をたどり、さらにカルデラの壁にかかる木落坂を降りて宮地まで往来、生活物資や農業生産資材を牛馬で運搬したり、中等教育を受けていました。その野道の途中、広々とした草原のちょうど中間地点に、木落牧場の「札木の牧番小屋」がポツンと建っていました。
牧番小屋の土間には水瓶が据えられ、谷間から担ぎ上げた水がいつも一杯に入れられていました。6畳間の真ん中にある囲炉裏には榾木(ほだぎ)が燃え、自在鉤には鉄瓶がぶら下がっていました。万一、番人が留守の場合でも、牛馬の巡視に来た牧野組合員が勝手にお茶を飲めるよう、いつでもお湯が沸かしてありました。
この牧番小屋の番人は広大な放牧場のパトロールをしながら、牛馬の腹部に毛染めで書かれた番号や所有者の名前で頭数を確認。併せて牛馬の発情や病気、ケガの早期発見にも当りました。晴天の日は観察も容易でしたが、濃霧の日は頭数確認だけでも困難を極めました。
札木の牧番小屋を通過する下荻の草の人々は、行き帰りに決まって立ち寄ってお茶を飲み、町と里の話題を交換していました。一息入れたら、再び野道をたどります。

カテゴリ : 生活
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