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繋ぎ厩と落とし厩

繋ぎ厩

正方形をした「繋ぎ厩」では、牛の頭を壁側にして係留しました。成牛1頭当たりの占有面積は約4平方㍍。厩肥の大量生産と冬の保温を目的に床を深く掘り下げた構造で、阿蘇の伝統的な畜舎構造となっています。
飼料の干し草を投げ草で与え、食い残した草が牛の糞尿と混ざり合い厩肥となります。草の堆積で次第に床が高くなるため、牛の頭が天井につかえる状態になる前に「がんづめ」(三本爪の付いた掻き出し用具)で引き出します。これを稲手で十字に結束し、牛の鞍に積んで麦田に敷きました。この作業を旧正月までに終えると、一年間の仕事納めとなりました。

落とし厩

一方、「落とし厩」は段差のある地形を利用した構造で、上段の畜舎でできた厩肥を下段の厩肥堆積場に落としていました。堆積場は石積みや玉石で築き、道路に面した幅4㍍ほどの開口部から厩肥を馬車に積んで運び出します。この構造は厩肥の処理労働を大きく省力化しました。

こごえ

厩肥を何回もホークで切り返し、完熟させた状態のものを「こごえ」と呼びました。これを麦やナタネ、トウモロコシなどの種を蒔く時に施肥しました。つかみごえ(手で掴んで撒く施肥法)ができたので、施肥の省力化につながりました。このように農家では昔から、草は牛馬の飼料や肥料の生産資材として合理的に利用されていました。


カテゴリ : 生活
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