ホーム > 蕎麦処 阿蘇の風-上野博行
蕎麦処 阿蘇の風-上野博行
更新日: 2021-04-27 (火) 11:05:48 (1067d)
少年時代の記憶が、第二の人生を選ばせた。
阿蘇の水で磨いた手打ち蕎麦に、中華風の料理をアレンジした。
東京にいたころ知り合った、生まれも育ちも北京の妻といっしょに始める店なのだから、そういう特徴でいこうと決めたのだ。
「蕎麦と中華?そんなの聞いたことがないぞ」という声には、まあ召し上がってください、驚きと納得を差し上げたい。というのが「阿蘇の風」店主、上野博行さんの主張である。
大学は法学部で学び、法律家を目指した時期もあった。思うところあって道を変え、別の意味で世のため人のためとなる職業に就き、定年を迎える。
第二の人生をどこで過ごすか。迷わず阿蘇に気持ちが傾いたのは、少年時代のボーイスカウトで経験した草原が忘れられなかったからだろう。売りに出ていた空き家を見つけた。即決だった。
まったくの素人だが、蕎麦屋を始めようと決断する。打ち方からそばつゆの作り方まで、さまざまな師に教えを請い、どうにか手応えをおぼえてスタートしたのは二〇一四年の師走だった。
「はじめはどのくらい作ればよいのか見当もつかず、余ってしまっては知人に配って回る日々がつづきました」。
日本人にとって特別な食べものである蕎麦。震災というつらい体験のなかにあっても、どこか懐かしく癒されるのは、あのツルツル感だろう。
カテゴリ : 行政
索引 : う
このページのURL: