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阿蘇火山の恵み

美しい景観と豊かな自然

日本には86個の活火山があり、それらは美しい景観と風土を作り出しています。28地域の国立公園のうち、18地域に第4期の火山地帯が含まれていることからも理解できます。
阿蘇火山も、霧島屋久地域、雲仙天草地域の次に、昭和9年(1934)12月4日に国立公園に指定されました。阿蘇火山は大型のカルデラ地形と中央火口丘群のみならず、カルデラ周辺の広大な草原とが調和した見事な景観を形成しています。また、カルデラ内および周辺地域に多くの人々が生活しており、その豊かな自然を活かした農業・牧畜業などは、一段と心和ませる雰囲気を漂わせています。このような環境はこれまで述べてきた阿蘇火山の発達史そのものと、人々の営みとによってもたらされた大きな恵みです。

阿蘇の灰石

巨大な阿蘇火砕流噴火の産物である溶結凝灰岩が、灰石と呼ばれて人々の生活に深く関わってきました。
灰石は阿蘇火山周辺で様々な石材として利用されたのはもちろん、古墳時代以降、次第に我が国の政治・文化の中心である畿内地方にまで影響を与えた極めて優秀な石材でした。

沼鉄鉱床

阿蘇谷に発達する沼鉄鉱は古代のベンガラの生産から、現在の脱硫剤や家畜の飼料などの活用まで、人々の生活に多岐にわたって恩恵を与え続けました。

地下水

火山を構成する溶岩や火山砕屑物、および山麓に発達する扇状地の地質は、一般に隙間が多いので透水性に優れます。そのため、山体で降った雨や雪は、火山の斜面で地下に浸透し地下水となります。地下水は山麓の低い所でしばしば地表に湧出して泉をつくる。このような湧水池が火山の麓にたくさん見られることはよく知られています。
阿蘇火山の場合も、中央火口丘群の山麓には豊富な湧き水があり、古くから生活用水として利用されてきました。阿蘇谷では、一の宮町中心街一帯をはじめ、阿蘇町の役犬原、市の川、赤水などに多くの湧水池が発達しています。この地域は中央火口丘群の山麓の斜面と水田地帯との境にあり、住宅の密集する地域と一致しています。これら住宅地の立地は、地形的な要因だけでなく、湧水池の存在が大きく影響しているものと考えられます。南郷谷においても、長陽村東部から白水村にかけて同様の湧水がたくさんあり、日本の名水百選に選ばれた白川水源は広く知られています。
地下水の恩恵を受けているのは、何もカルデラの内側に限ったことではありません。阿蘇カルデラ西側の外輪山から熊本市にかけての広大な地域は、西側に緩く傾斜する台地から形成されています。これらの地域に分布している阿蘇火砕流堆積物が、地下水の優秀な帯水層となっています。その厚さは、場所によっては100㍍にも及び、堆積物とその間に挟まれる溶岩(砥川溶岩)などの中に多量の地下水が存在します。熊本都市圏では年間2億㌧を越える地下水が汲み上げられ、熊本市民の生活を支えています。

温泉

火山の周辺には温泉が多く湧出します。火山には高温のマグマの熱が存在することから、阿蘇の豊富な地下水との関係で素直に理解できます。
阿蘇カルデラおよびその周辺には多くの温泉が開発され、ほとんどの町村に「温泉センター」が作られています。これらの温泉の泉質は様々ですが、活動的な火山によく見られるような酸性の温泉は、湯の谷温泉、垂玉温泉地獄温泉だけです。その他の温泉は温度が26~59度の炭酸水素塩泉で、カルデラの地下に広く分布する花崗岩や変成岩の中から湧出しています。カルデラ内にあるにも関わらず、火山性の温泉が少ない。

参考

阿蘇火山の生い立ち

カテゴリ : 阿蘇の自然
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