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阿蘇火山博物館

概要

1982年、立ち入り規制(きせい)天候等(てんこうとう)による火口見物ができない時においても阿蘇の学習ができるようにと九州産業交通(きゅうしゅうさんぎょうこうつう)旧阿蘇町補助(ほじょ)を受けて設立(せつりつ)されました。
阿蘇火山博物館(あそかざんはくぶつかん)阿蘇山上の草千里ヶ浜火口内(くさせんりがはまかこうない)にあって、周辺は㈶自然公園財団(しぜんこうえんざいだん)の管理による有料駐車場となっていて、博物館のほかに3件のレストランが並んでいます。またこの場所は、阿蘇くじゅう国立公園内にあって、環境省(かんきょうしょう)の定める「公園管理計画(こうえんかんりけいかく)」のなかで、「第2種特別地域(だいにしゅとくべつちいき)」となっており、国の定める「自然公園(しぜんこうえんほう)」の適用を厳しく受けることになり、建物の配色をはじめ、看板の設置やチラシの配布などにも(きび)しい規制(きせい)があります。

設備

博物館法(はくぶつかんほう)による分類の中では熊本県から「博物館相当施設(はくぶつかんそうとうしせつ)」の認可を受けています。
建物は鉄筋コンクリート造・一部鉄骨造4階建て、敷地(しきち)面積5,522㎡、()床面積(ゆかめんせき)4,248㎡のうち、展示(てんじ)フロアの面積が1,154㎡、映写(えいしゃ)ホールが946㎡、1階がエントランスホールで、チケット販売や様々な案内を行うインフォメーションセンターのほか、ミュージアムショップ、お土産品コーナー、軽食レストラン、オルゴールの展示館(てんじかん)オルゴール響和国」を併設しています。2階は展示フロア、3階では5面スクリーンによる、阿蘇の自然や農耕祭事(のうこうさいじ)などを約15分間上映しています。4Fは映写室や機械室となっています。

資料

阿蘇周辺には多くの文化的遺産(ぶんかてきいさん)が数多く存在し、火口周辺には噴火口をはじめとした火山地形や地質、草原の動植物など貴重な自然環境(しぜんかんきょう)が存在します。
このような豊富な資料に関して、収集や保存に努めてきました。特に阿蘇中岳第1火口に設置された「火口カメラ」により、火口の表面活動の様子を来館者(らいかんしゃ)に見せることはもちろん貴重な資料として開館以来、映像として保存してきました。

調査研究活動(ちょうさけんきゅうかつどう)

地元の熊本大学をはじめ、京都大学火山研究センター(きょうとだいがくかざんけんきゅうせんたー)九州東海大学(きゅうしゅうとうかいだいがく)などと連携(れんけい)し、阿蘇の火山活動や教育普及活動(きょういくふきゅうかつどう)を中心に調査研究活動(ちょうさけんきゅうかつどう)を続けています。
蓄積(ちくせき)された膨大(ぼうだい)資料(しりょう)やデータは、論文(ろんぶん)や報告書として発表され、その内容は博物館の常設展示(じょうせつてんじ)企画展示(きかくてんじ)などに活かされています。

教育・学習

2000年以前の博物館の利用者のほとんどは観光客で、学校教育の中での利用形態(りようけいたい)も修学旅行が中心で、一般の授業の中での利用はほとんどありませんでした。
しかし2000~2001年の「科学系博物館(かがくけいはくぶつかん)ネットワーク推進事業(すいしんじぎょう)」、2003年の科学系博物館教育機能活用推進事業(かがくけいはくぶつかんきょういくきのうかつようすいしんじぎょう)実施(じっし)し、博物館と教育機関との連携授業(れいんけいじゅぎょう)が行われるようになりました。
テレビ会議システムを用いた「ネットワーク授業」の実施(じっし)やディスカバリーボックス(主にネットワーク授業で活用する様々な教材を納めたもの)を用いた出前授業(でまえじゅぎょう)実施(じっし)、教育機関との連携で行う学習プログラムの研究開発(けんきゅうかいはつ)教育機関(きゅいくきかん)が行う地域学習などへの積極的参加・支援(しえん)などが行われるようになりました。その結果、各教育機関における総合的学習の時間や理科の時間において、博物館の利用も増えてきました。
修学旅行や社会見学の教育機関に対しては博物館の見学はもちろんのこと、加えてフィールド学習も提案(ていあん)実施(じっし)を行ってきました。これによって他の地域から訪れた子供たちは阿蘇に滞在(たいざい)する時間が長くなり、さらに事前事後(じぜんじご)の学習時間の増大(ぞうだい)により、阿蘇に対する理解度(りかいど)がより深まるという、良い&ruby(じゅんかん)循環が生まれています。

防災情報

火口カメラの映像は、当館における展示としての利用の他、大学との共同研究の素材として、また観測や防災的(ぼうさいてき)な観点から、気象庁(きしょうちょう)への配信、在熊(ざいゆう)の各テレビ局へのニュースソースとしての提供も行っています。今後通信技術(つうしんぎじゅつ)の向上、整備(せいび)によって、今後は阿蘇周辺の各行政(かくぎょうせい)、文化、観光施設への情報提供(じょうほうていきょう)など様々な活用が考えられ、防災的(ぼうさいてき)学術的(がくじゅつてき)、観光の観点からの利用価値が高まってきています。
以上のように、阿蘇における火山防災上の重要な情報提供を行っていると同時に、このところ相次いで頻発(ひんぱつ)している地震や噴火災害(ふんかさいがい)に対する啓蒙(けいもう)(正しい知識を伝えること)に大きな役割を果たしています。

展示の特徴

阿蘇の火山地質を中心に、動物、植物、歴史、民俗などについて総合的に展示を行っています。
火山関係の展示が半分以上を占め、阿蘇火山の生い立ちや、カルデラの誕生、中央火口丘群の岩石、火山灰層(かざんばいそう)の断面などの展示があります。代表的なものに「火口カメラ」があり、活動中の中岳第1火口壁の2カ所にTVカメラを設置し、火口から3.2km離れた草千里ヶ浜にある博物館まで光ファイバーケーブルを介して火口内の状況をリアルタイムで中継(ちゅうけい)し館内にてライブ配信(はいしん)を行っています。観光客に楽しんでもらうと同時に安全性が重視(じゅうし)されています。

所在地情報

標高1100m 北緯32° 53′ 9″ 東経131° 3′ 8″(60進法表記)
熊本県阿蘇市赤水1930-1

画像

映像

参考

阿蘇火山博物館
阿蘇市役所

カテゴリ : 阿蘇の施設
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