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鳥類の四季
更新日: 2014-08-20 (水) 14:04:03 (3509d)
2月
立春ではありますが、五岳の山頂部分は雪に覆われ極寒のさ中ですが、日に日に高くなる太陽高度と日照時間にいち早く春を感じて天気の良い日などには冬枯れした低木の先でホオジロが歌い、ノスリの雄壮な飛翔も見られ、下旬には上空からヒバリの元気よい鳴き声が響き渡るようになります。
3月
ノスリのペアが目立ち、中旬にはツバメやアマツバメも帰って来ます。
しかし、野焼きによって草原の様子は一変。すみかを焼き払われた鳥たちは、慌てふためき、北国から冬越しにやって来ていたカシラダカやミヤマホオジロ・タヒバリ・ツグミなどの小鳥たちや、それらを追うようにやって来ていたチョウゲンボウやハイタカ・コミミズクなどの猛禽類も追い立てられ早めの帰国を余儀なくされます。
黒焦げの大地に残るのは、ほかに行き場のない阿蘇で生まれ育った土着のホオジロやモズ・ヒバリ・ハシボソガラス・ハシブトガラス、それにノスリなどわずかな種類の鳥たちだけとなります。
4月
桜が満開になるころには北外輪山の草原にはキスミレやハルリンドウ・サクラソウなどが色とりどりに咲き、まだ草丈が伸びていない草原にはオオジシギがいち早くオーストラリアから里帰りし、下旬になると夕方から早朝にかけて派手なディスプレイを開始します。
また、放牧されたあか牛の周囲にアマサギが付きまとうのどかな光景も見られるようになります。
5月
連休も明け、立夏を迎えるころになると、北外輪山上の草原も鳥たちで活気づいてきます。
平地で越冬していたホオアカも先を競うように上がってくると少しでも雛育てに有利な場所をめぐって競い合い、ときには夢中になり過ぎて北外輪山上を通るミルクロードなどでは高速で走る自動車に衝突されて落鳥するなどの事故があったりします。
また、場所によってはコジュリンも帰って来ます。ホオジロ科のホオジロ・ホオアカ・コジュリンの三種が同所的に見られることもありますが、一般的に見られる高さは、ホオジロが最も低く、次いでホオアカ、コジュリンの順に高くなります。
これらの巣は、いずれも椀形で、枯れたイネ科植物の葉や茎、細根などで作られており、営巣場所はホオジロが低木やススキの株の間、コジュリンがススキの株の間、ホオアカがススキの根元といったように少しずつ異なっています。
ホオジロ科の鳥のほかにもセッカの鳴き声にも力強さが増し、低木林に接する場所ではウグイスの鳴き声も目立つようになります。また、これらの小鳥類の繁殖に間に合うようにカッコウやホトトギスも里帰りし、中旬にはアカモズやオオヨシキリ、下旬にはヨタカも帰って来て草原は昼夜を問わず鳥たちの鳴き声で満ち溢れます。
6月
6月になると、コヨシキリも帰って来て草原の夏鳥たちは勢揃いとなります。
土着の鳥にしては少々遅い気もしますが、ときおりノスリの巣材運びも目に付くようになります。
また、モズやホオジロ・ホオアカ・コジュリンなどの雛が孵ったことが親鳥たちの忙しそうな餌運びで気づかされます。モズの繁殖は遅く熊本市の平地などより2か月も遅れます。
8月
八月中旬ぐらいでベビーラッシュも一終了します。
中旬にはあれほど目立っていたカッコウやホトトギス・オオヨシキリやコヨシキリなどの鳴き声もほとんど聞かれなくなります。
阿蘇の夏は名ばかりで、下旬には日平均気温も20度を下回るようになり、ススキの穂も出て、草原はすっかり秋の気配で、繁殖を途中で失敗してやり直したらしいものたちを除き、鳥たちの姿もめっきり少なくなります。
9月
干し草狩りが始まると猛禽類が目立つようになる。草を刈られ隠れ場を失い慌てふためく小鳥たちや野ネズミ類を狙ってノスリが飛び、それまで主にカルデラ内にいたトビなども外輪山上へ上ってきます。
かつてはイヌワシなども見られましたが近年は見かけなくなりました。
10月
チョウゲンボウやハイタカ・コミミズクも飛来し、チゴハヤブサも通過していきます。
11月
冬鳥が出そろい、カシラダカやアオジ・ミヤマホオジロ・タヒバリのほかベニマシコも稀ではなく、年によってはハギマシコなども見られるようになります。
猛禽類もハイイロチュウヒやチュウヒ・ハヤブサ・コチョウゲンボウなどが加わり、年によってはケアシノスリなども飛来。
阿蘇の冬は長く厳しくて、かつて迷行したオオノスリやカタシロワシが落鳥したこともあります。
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