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3つのカルデラ湖

概要

阿蘇地方に伝わる神話に「健磐龍命の立野蹴破り伝説」があります。阿蘇の大明神健磐龍命が阿蘇谷を眺めたところ、そこには広大な湖があったので、人々のために田を開きたいと思い立野を蹴破ったというお話です。
阿蘇中央火口丘群の活動はカルデラ生成後、そう時間を置かずに始まりました。カルデラ生成直後の火山噴出物は、より新しい中央火口丘群の噴出物に覆われるため地表の調査からだけでは分かりませんが、カルデラ内にはいくつかのボーリング資料があり、断片的ですが古い時期の様子を知ることができます。ボーリング資料とカルデラ内の地質調査の結果から、カルデラ内には時期と場所を異にして少なくとも三度は湖沼が生じたと考えられています。古い順に、カルデラ生成直後に比較的短期間存在した「古阿蘇湖」、一度開いた古い火口瀬を溶岩がせき止めたために生じた南郷谷側の「久木野湖」、そして阿蘇谷側にごく最近まで残っていた「阿蘇谷湖」です。

古阿蘇湖

阿蘇-4火砕流噴出の結果カルデラが生成されました。カルデラ生成直後に湖が存在していたことを示す地層は、礫岩や砂礫層を挟むシルト(砂より小さく粘土より粗い砕屑物)、そして凝灰質砂層です。これが南郷谷の白水村一帯の地表面下656~800㍍あたりで確認されています。この深さは海抜に直せば、マイナス260㍍より深いことになりますが、まだ基盤には達していません。堆積物はカルデラ内に堆積した阿蘇-4火砕流堆積物のすぐ上に存在します。また、新エネルギー開発機構によって旧長陽村で行われたボーリングによると、海抜マイナス300~マイナス600㍍付近に、白水村一帯で確認された地層に対比できる堆積物が認められています。これらの堆積物はカルデラ生成からさほど時間を経ずに堆積したものです。
これらのことから、カルデラ生成直後に海抜マイナス300~マイナス600㍍付近に湖ができていたことを意味しています。
古阿蘇湖の堆積物の上には、厚さが約800㍍に及ぶ玄武岩質の溶岩や角礫岩を主な構造とする火山噴出物(初期の噴出物)が堆積しています。これらの堆積物の一部の溶岩には、水冷されたと思われる岩相も含まれ、火山活動は古阿蘇湖の存在している時期から始まっていたと考えられます。
調査の結果、阿蘇カルデラ生成直後から約2万年の間に大量の噴出物を出した火山活動があったことが明らかになりました。その時の噴出物の量は、現在地表で見られる中央火口丘群の噴出物量とほぼ同じです。

参考

阿蘇火山の生い立ち

カテゴリ : 阿蘇の自然
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