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阿蘇の施設

豊肥本線

豊肥本線(ほうひほんせん)

豊肥本線(ほうひほんせん)とは、大分県大分市の大分駅(おおいたえき)と熊本県熊本市西区の熊本駅を結ぶ、九州旅客鉄道(JR九州)の鉄道路線です。「阿蘇高原線(あそこうげんせん)」の愛称を持ち、営業キロは148.0kmにおよびます。路線の中央部は阿蘇カルデラの内部を横断しており、阿蘇地域における鉄道アクセスの根幹をなす施設です。本稿では、立野(たての)駅から宮地(みやじ)駅にかけての阿蘇区間を中心に解説します。

路線データ(阿蘇区間)

項目 内容
事業者 九州旅客鉄道(JR九州)
区間 立野駅 - 宮地駅(阿蘇カルデラ内)
軌間 1,067mm、全線単線・非電化区間
主な駅 立野駅、赤水(あかみず)駅、内牧(うちのまき)駅、阿蘇駅、宮地駅
最高地点 坂の上トンネル(延長2,886m、豊肥本線全線の分水嶺(ぶんすいれい))

沿革

熊本側の区間は、1914年(大正3年)に宮地(みやじ)軽便線(けいべんせん)として熊本駅 - 肥後大津(ひごおおづ)駅間が開業したことに始まります。1916年(大正5年)11月11日に肥後大津駅 - 立野駅間が延伸開業し、1918年(大正7年)1月25日には立野駅 - 宮地駅間が延伸開業しました。この際、赤水駅内牧駅・坊中(ぼうちゅう)駅(現在の阿蘇駅)・宮地駅が新設されています。1922年(大正11年)9月2日に宮地線と改称され、1928年(昭和3年)12月2日に玉来(たまらい)駅 - 宮地駅間が延伸開業したことで大分駅 - 熊本駅間が全通し、宮地線と大分側の犬飼線(いぬかいせん)を合わせて豊肥本線と改称されました。同時に、立野駅 - 高森駅間の支線は高森線として分離され、現在の南阿蘇鉄道高森線につながっています。坊中駅は1961年(昭和36年)3月20日に阿蘇駅へと改称されました。

阿蘇・竹田などの多雨な山間部を通ることから、豊肥本線は集中豪雨や土砂災害による不通を繰り返してきました。1990年(平成2年)7月の集中豪雨では緒方(おがた)駅 - 宮地駅間が不通となり、復旧に1年3か月を要しています。2012年(平成24年)7月の九州北部豪雨では、宮地駅 - 肥後大津駅間を含む広い区間で土砂流入や築堤(ちくてい)崩壊が発生し、被害の大きかった豊後竹田(ぶんごたけた)駅 - 宮地駅間は2013年(平成25年)8月4日に復旧しました。

阿蘇区間の見どころ

立野のスイッチバック

立野駅は、阿蘇外輪山(がいりんざん)が一箇所だけ低く途切れた地点にあり、白川(しらかわ)・国道57号・豊肥本線がいずれもこの地点を通ってカルデラ内外を行き来します。豊肥本線は同駅でスイッチバックにより急勾配を克服してカルデラ内へ入るため、運転士がホーム上を歩いて反対側の運転席に移動する光景が見られます。

阿蘇谷の車窓と阿蘇五岳

立野駅からカルデラ内に入った列車は、阿蘇谷(あそだに)と呼ばれる平原を走ります。右手には阿蘇五岳(あそごがく)をはじめとする火山群、左手には広大な水田と北側外輪山を望むことができます。宮地駅付近は火山群が最も良く見える地点とされ、同駅の近くには肥後国一の宮(ひごのくにいちのみや)である阿蘇神社があります。

坂の上トンネルと分水嶺

宮地駅を出た列車は東側外輪山を登り、豊肥本線最高地点である坂の上トンネル(延長2,886m)を通過します。この地点が路線全体の分水嶺となっており、以降は大分方面へ向けて下り勾配となります。トンネル通過後の一帯は、約9万年前の阿蘇山大噴火に伴う火砕流(かさいりゅう)によって形成された火砕流台地(かさいりゅうだいち)にあたります。

令和8年(2026年)熊本地震による影響

2026年7月28日に発生した令和8年熊本地震(最大震度7)により、豊肥本線は熊本駅 - 宮地駅間で終日の運転見合わせとなり、熊本駅 - 宮地駅間では駅ホームの破損が3か所確認されました(JR九州発表、2026年7月29日)。その後、熊本駅 - 肥後大津駅間は同年7月30日午前11時56分に本数を減らして運転を再開しました。肥後大津駅から宮地駅にかけての阿蘇区間は、当初運転見合わせが続いていましたが、その後順次運転が再開されています。

利用情報(2026年8月現在)

  • 阿蘇区間(宮地駅 - 肥後大津駅間)の普通列車は、被災前はおおむね1時間に1本程度の運行でした。
  • 観光特急「あそぼーい!」「九州横断特急」「かわせみ やませみ」などが熊本駅・大分駅と宮地駅阿蘇駅方面を結んでいますが、令和8年熊本地震後の運行体系については別途最新情報の確認が必要です。
  • 営業時間・運行本数は変動するため、利用にあたってはJR九州公式サイトで最新の運行情報を確認することが推奨されます。

よくある質問

Q. 豊肥本線はどのような路線ですか? A. 大分県大分市の大分駅と熊本県熊本市の熊本駅を結ぶ、JR九州の鉄道路線です。営業キロは148.0kmで、「阿蘇高原線」の愛称を持ちます。

Q. なぜ立野駅でスイッチバックを行うのですか? A. 立野駅は阿蘇外輪山が唯一低く途切れた地点で、ここから急勾配を登ってカルデラ内に入るため、進行方向を切り替えるスイッチバックが採用されています。

Q. 豊肥本線は熊本地震で何度不通になりましたか? A. 2016年(平成28年)の熊本地震では阿蘇駅 - 肥後大津駅間が2020年(令和2年)8月8日まで長期不通となりました。2026年の令和8年熊本地震でも一部区間が運転見合わせとなり、その後順次運転を再開しています。

関連項目

参考文献

  • 九州旅客鉄道(JR九州)公式サイト「豊肥本線」関連ニュースリリース
  • 九州旅客鉄道「令和8年熊本地震の影響に伴う被害状況について」2026年7月29日
  • 日本経済新聞「熊本地震被災の豊肥線再開」2020年8月8日
  • 国土交通省九州地方整備局「JR豊肥本線が令和2年8月頃に運転再開の見通し」2020年4月10日
  • Yahoo!乗換案内「豊肥本線の運行情報」
  • Wikipedia日本語版「豊肥本線」
更新日: 2026-08-25 (火) 02:40:06 (0d)