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行政

阿蘇市

阿蘇市とはどんな場所か

阿蘇市は、熊本県の北東部に位置する市です。

東西約30km、南北約17km、面積は約376平方kmにおよびます。熊本市から北東へ約50kmの九州山地内に立地し、市域東部と北西部で大分県と接しています。

市の中心部は、阿蘇山が形成した世界有数のカルデラ盆地(阿蘇谷)に収まっており、阿蘇五岳と外輪山に四方を囲まれた盆地の中に市街地が広がっています。カルデラの外側、波野地区は高原状の地形が続き、同じ市域でも景色と気候が大きく異なります。

隣接するのは南小国町産山村・大分県日田市(北)、南阿蘇村高森町(南)、菊池市大津町(西)、大分県竹田市(東)の各市町村です。


阿蘇市の人口推移と現状

令和2年(2020年)の国勢調査によると、阿蘇市の総人口は24,930人、世帯数は9,987世帯です(阿蘇市公式ホームページより)。

前回調査(平成27年)から2,088人(▲7.7%)の減少で、人口減少が続いています。2025年4月時点の住民基本台帳では約24,018人と、さらに減少が進んでいます。

年齢別の構成(令和2年)は次のとおりです。

  • 年少人口(15歳未満):2,778人(11.2%)
  • 生産年齢人口(15〜64歳):12,035人(48.4%)
  • 老年人口(65歳以上):10,051人(40.4%)

老年人口の割合が約4割を占めており、熊本県内でも高齢化が顕著な自治体のひとつです。

阿蘇市の人口はなぜ減っているのか

阿蘇市の人口減少は、若年層の流出と少子化の複合要因によるものです。進学・就職を機に熊本市や福岡市へ転出するケースが多く、農業や観光業を支える生産年齢人口の確保が地域の大きな課題となっています。


阿蘇市の地形と気候

世界有数のカルデラ

阿蘇カルデラは東西約18km・南北約25km・面積約380平方kmで、日本最大(世界でも有数)の規模を誇ります。中央にそびえる阿蘇五岳(高岳中岳根子岳烏帽子岳杵島岳)のうち、中岳は現在も活動を続ける活火山です。

なお「世界最大のカルデラ」と称されることがありますが、正確にはインドネシアのトバカルデラ(長径約100km)が世界最大、日本国内でも屈斜路カルデラ(長径約26km)に次いで第2位です。

冷涼多雨な気候

阿蘇市の年平均気温は約13℃で、熊本市沿岸部と比べると年間を通じて冷涼です。年間降水量は約3,000mmと、日本有数の多雨地帯でもあります。梅雨期に降水が集中し、夏でも朝晩は涼しくなります。

この気候が稲作や高冷地野菜の生産に適した農業環境を形成し、内牧・宮地の平坦地では稲作が、波野などの山間部では大根・そばなどの生産が盛んです。


阿蘇市の産業構成

令和2年国勢調査に基づく産業別就業人口は以下のとおりです(阿蘇市公式データより)。

産業区分 就業者数 割合
第1次産業(農林業など) 2,368人 18.8%
第2次産業(製造業など) 2,842人 22.6%
第3次産業(観光・サービスなど) 7,373人 58.6%

業種別では農業が2,235人で最多、次いで医療・福祉(1,991人)、製造業(1,890人)、卸売業・小売業(1,326人)、宿泊業・飲食サービス業(1,138人)の順です。

農業

阿蘇谷の平坦地での水稲作と、外輪山波野高原での高冷地野菜(大根・そばアスパラガスなど)が主力です。阿蘇の広大な草原を活用した肉用牛(あか牛)の放牧も盛んで、阿蘇くじゅう地域の世界農業遺産認定(2013年)に象徴されるように、草原と農業が一体化した景観は地域のアイデンティティとなっています。

観光業

阿蘇地域(1市3町3村)全体の観光客数は、ピーク時(2015年)に年間1,585万人を数え、熊本県全体の約20%を占めました。しかし2016年の熊本地震と、それに続く阿蘇山の火口規制(2016〜2019年、2021〜2023年など断続的)により、観光入込客数は大きく変動してきました。

内牧温泉は20軒を超えるホテル・旅館が集まる阿蘇随一の温泉街です。「町湯」と呼ばれる公衆浴場が6軒並び、地元住民の生活の場としても親しまれています。


阿蘇市の歴史と市名の由来

名前の由来

『日本書紀』には、景行天皇が阿蘇を訪れた際に荒野が広がり人影がなかったため「この国に人はいるか」と問うと、阿蘇都彦・阿蘇都媛という二神が現れたという記述があります。このやりとりから「阿蘇」の地名が生まれたとされています。

また仏教大辞典には、古代インドの神「阿修羅(阿素洛)」の山、すなわち「阿蘇山」が語源であるという説も記されています(熊本日日新聞社刊『新阿蘇学』)。

市制施行と合併の経緯

  • 阿蘇市は、2005年2月11日に旧阿蘇町・旧一の宮町・旧波野村の合併・市制施行によって誕生しました。
  • 旧阿蘇町:内牧町・黒川村・永水村・尾ヶ石村・山田村が合併して成立
  • 旧一の宮町:宮地町・古城村・中通村・坂梨村が合併して成立

市長は松嶋和子氏(2025年3月就任、1期目)。市役所は阿蘇市一の宮町宮地に置かれています。


阿蘇市の主なシンボルと認定

  • 市の花:ミヤマキリシマ
  • 市の木:ヤマツバキ
  • 世界ジオパーク認定:2009年(阿蘇ジオパーク)
  • 世界農業遺産認定:2013年(阿蘇くじゅうの農業・草原維持システム)
  • 阿蘇くじゅう国立公園:市域の大部分が含まれる

よくある質問(FAQ)

Q. 阿蘇市の人口は何人ですか? 令和2年国勢調査では24,930人。2025年4月の住民基本台帳では約24,018人です。

Q. 阿蘇カルデラは世界最大ですか? 世界最大ではありません。世界最大はインドネシアのトバカルデラ(長径約100km)で、日本国内でも屈斜路カルデラ(長径約26km)に次いで第2位です。ただし世界有数の規模であることは確かです。

Q. 阿蘇市の主な産業は何ですか? 就業者数では第3次産業(観光・サービス・医療福祉など)が58.6%と最多です。農業・牧畜、製造業も地域経済を支える重要な柱です。

Q. 阿蘇市はどこに位置しますか? 熊本県の北東部、熊本市から約50kmに位置します。市域の大部分は阿蘇山が形成したカルデラ盆地(阿蘇谷)にあり、九州山地の中心部にあたります。


最終更新:2026年5月 / 主な参照:阿蘇市公式ホームページ(人口・産業データ)、令和2年国勢調査、Wikipedia「阿蘇市」

更新日: 2012-11-20 (火) 00:00:00 (4944d)