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行政

阿蘇国立公園

この記事は、昭和61年(1986)に「阿蘇くじゅう国立公園」へ改称される以前の「阿蘇国立公園」について、後世に残す歴史的な記録として記述しています。現行の指定内容・区域・利用情報については、別項「阿蘇くじゅう国立公園」を参照してください。

概要

阿蘇国立公園(あそこくりつこうえん)とは、昭和9年(1934)12月4日から昭和61年(1986)9月10日まで、熊本県および大分県にまたがる区域に指定されていた国立公園です。昭和61年(1986)の改称により、現在の「阿蘇くじゅう国立公園」となりました。

  • 指定当初の総面積は72,492ヘクタールで、このうち熊本県にかかる面積は54,368ヘクタールとされています(阿蘇ペディア旧記事による。一次資料での確認は残課題)。
  • 活火山・阿蘇山とその北に連なる大分県の九重山群、鶴見岳(つるみだけ)、由布岳(ゆふだけ)一帯が公園の区域となっていました。
  • 名称は昭和61年(1986)9月10日に「阿蘇くじゅう国立公園」へ変更され、現在に至ります。

指定の経緯と沿革

阿蘇国立公園は、瀬戸内海国立公園・雲仙国立公園・霧島国立公園に次いで、阿寒国立公園・大雪山国立公園・日光国立公園・中部山岳国立公園と同日の昭和9年(1934)12月4日に指定されました。これは日本で最初期に指定された国立公園群の一つです。

指定後の主な変遷は次のとおりです。

月日 事項
昭和9年(1934) 12月4日 阿蘇国立公園として指定される。
昭和28年(1953) 9月1日 大分県の由布岳・鶴見岳・高崎山一帯が拡張指定される。
昭和31年(1956) 5月1日 高崎山地域が分離し、瀬戸内海国立公園へ編入される。
昭和39年(1964) 6月25日 有料道路「別府阿蘇道路」(通称・やまなみハイウェイ)が供用開始。
昭和61年(1986) 9月10日 「阿蘇くじゅう国立公園」へ名称変更。
平成6年(1994) 6月25日 やまなみハイウェイが料金徴収期間満了に伴い無料開放。

昭和61年(1986)の改称は、公園がすでに阿蘇地域だけでなく大分県のくじゅう連山一帯を広く含んでいた実情を、名称にも反映させたものです。「くじゅう」の表記が漢字の「九重」「久住」ではなく平仮名とされたのは、両表記が地元で混在して用いられてきたことへの配慮によるとされています。

区域と関係市町村

指定当時の関係市町村は、菊池市、菊池郡旭志村(きょくしむら)、大津町(おおづまち)、阿蘇郡一の宮町(いちのみやまち)、阿蘇町(あそまち)、南小国町(みなみおぐにまち)、小国町(おぐにまち)、産山村(うぶやまむら)、波野村(なみのむら)、高森町(たかもりまち)、白水村(はくすいむら)、久木野村(くぎのむら)、長陽村(ちょうようむら)の1市12町村でした。

このうち阿蘇郡一の宮町・阿蘇町・波野村は平成17年(2005)2月11日に合併して阿蘇市となり、白水村・久木野村・長陽村は同年2月13日に合併して南阿蘇村となっています。菊池郡旭志村は平成17年(2005)10月に菊池市へ編入されました。指定当時の1市12町村のうち、現存する自治体は大津町南小国町小国町産山村高森町および合併後の菊池市阿蘇市南阿蘇村です。

阿蘇山の中央火口丘のすそ野には、北側に阿蘇谷、南に南郷谷と呼ばれる火口原が広がり、当時の記録では、ここに6つの町村・約53,000人が生活しているとされていました(この人口はリライト元記事の記述時点のもので、年次は確認できていません)。

地形・景観

阿蘇山は、東西約18km、南北約24kmに及ぶ大きなカルデラを持つ複式火山とされ、カルデラの中央には、高岳(たかだけ)(1,592m)を最高峰として、現在も活発に活動を続ける中岳(なかだけ)、岩峰と森林に覆われた根子岳(ねこだけ)、草原状の烏帽子岳(えぼしだけ)・杵島岳(きしまだけ)からなる「阿蘇五岳」をはじめ、往生岳(おうじょうだけ)・楢尾岳(ならおだけ)・夜峰山(よほうざん)・草千里(くさせんり)・米塚(こめづか)などが集まる中央火口丘があります。

これらを取り巻くように外輪山(がいりんざん)があり、内壁は切り立った崖状ですが、外側はなだらかな草原が広がっています。外輪山の内部には北向山(きたむきやま)や狼ヶ宇土(おおかみがうと)などの原生林が残存し、稜線には大観峰(だいかんぼう)・城山(じょうやま)・兜岩(かぶといわ)・清栄山(せいえいざん)・御成山(おなりやま)などの展望地があります。外輪山のすそ野には、西日本一の清流ともいわれる菊池渓谷(きくちけいこく)があります。

公園内には、内牧(うちのまき)・湯の谷・地獄(じごく)・垂玉(たるたま)・栃木(とちのき)・戸下などの温泉が点在するほか、阿蘇谷の宮地には、阿蘇開発の祖神とされる健磐龍命(たけいわたつのみこと)を祀る阿蘇神社があります。また、広大な草原では牛馬の放牧も見られました。

名称変更とその後

昭和61年(1986)9月10日の改称以降、「阿蘇国立公園」という名称そのものは公的な指定名称としては用いられていません。現在の指定地域・区域・利用情報・災害対応後の状況などについては、後継にあたる「阿蘇くじゅう国立公園」の記事で扱っています。

よくある質問

Q. 阿蘇国立公園はいつ阿蘇くじゅう国立公園に変わったのですか。 A. 昭和61年(1986)9月10日に、名称が「阿蘇くじゅう国立公園」に変更されました。

Q. 阿蘇国立公園の指定当初の面積はどのくらいでしたか。 A. リライト元記事によれば総面積72,492ヘクタール、うち熊本県にかかる面積が54,368ヘクタールとされています。ただし一次資料での確認はできていません(残課題参照)。

Q. 阿蘇国立公園にはどのような市町村が含まれていましたか。 A. 菊池市・菊池郡旭志村・大津町阿蘇郡一の宮町・阿蘇町・南小国町小国町産山村・波野村・高森町・白水村・久木野村・長陽村の1市12町村でした。このうち一の宮町・阿蘇町・波野村は平成17年(2005)に阿蘇市となり、白水村・久木野村・長陽村は同年に南阿蘇村となっています。

Q. 阿蘇国立公園と阿蘇くじゅう国立公園はどう違うのですか。 A. 同一の指定区域が名称変更されたものです。「阿蘇国立公園」は昭和9年(1934)から昭和61年(1986)までの名称、「阿蘇くじゅう国立公園」はそれ以降の現行の名称にあたります。

関連項目

参考文献

更新日: 2015-12-02 (水) 00:00:00 (3942d)