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行政

南小国町

概要

小国町(みなみおぐにまち)は、熊本県阿蘇郡に属する町で、九州の中央部、熊本県の北東部に位置しています。阿蘇外輪山(あそがいりんざん)と九重連山(くじゅうれんざん)の山あいに広がり、標高430mから945mの起伏に富んだ地形が特徴です。総面積は115.90平方kmで、そのうち85%を山林原野が占めます。

一部は阿蘇くじゅう国立公園に属し、町内を筑後川(ちくごがわ)の源流域として大小7つの川が北へ流れています。農林業を主産業とし、全国的に知られる黒川温泉(くろかわおんせん)などの温泉地を有する観光地でもあります。令和5年(2023)には宿泊予約サイトBooking.comが選ぶ「日本で最も居心地の良い場所」第1位に選ばれています(Booking.com「Traveller Review Awards 2023」)。総人口は3,737人(令和8年(2026)5月末現在、南小国町公式サイト)です。

位置と地勢

小国町は熊本県の北東端近くに位置し、阿蘇外輪山の北麓から大分県境にかけて広がります。東に大分県日田市(ひたし)・竹田市(たけたし)・玖珠郡(くすぐん)九重町(ここのえまち)、北に大分県、西に阿蘇郡小国町(おぐにまち)、南に阿蘇市および阿蘇郡産山村(うぶやまむら)と接しています。

筑後川の源流の一つとして大小7本の川が町内を北へ流れ、豊かな水資源を持つ地域として知られています。総面積115.90平方kmの85%を山林原野が占め、緑と水の豊かな農村景観を形成しています。なお、阿蘇くじゅう国立公園の区域の一部が町内に含まれています。

気候

小国町の気候は内陸性山岳気候で、標高が高いため年間を通じて気温が低く、夏は涼しく冬は厳しい寒さになります。年間平均気温は約13.2℃(気象庁、1991〜2020年平均値)で、年間降水量は約2,421mmにのぼります。梅雨から夏にかけて降水量が多く、6月には月間降水量が500mmを超えることもあります。冬季は積雪が見られ、道路の凍結に注意が必要です。

沿革

明治22年(1889)4月1日、町村制の施行にともない、赤馬場村(あかばばむら)・満願寺村(まんがんじむら)・中原村(なかばるむら)の3村が合併して南小国村が発足しました。昭和44年(1969)11月1日、町制を施行し南小国町となりました。

年表

  • 明治22年(1889)4月1日 — 赤馬場村・満願寺村・中原村が合併、南小国村発足
  • 昭和36年(1961)— 黒川温泉観光旅館協同組合が6軒の旅館によって設立
  • 昭和39年(1964)— やまなみハイウェイ開通
  • 昭和44年(1969)11月1日 — 町制施行、南小国町となる
  • 昭和47年(1972)4月1日 — 町旗・町章を制定
  • 昭和61年(1986)— 黒川温泉で入湯手形(にゅうとうてがた)が導入される
  • 平成18年(2006)— 「黒川温泉」が地域団体商標として商標登録
  • 平成25年(2013)— 阿蘇地域の草原農業が世界農業遺産(GIAHS(ジアス))に認定
  • 平成28年(2016)— 熊本地震により一部施設が被害を受ける
  • 令和5年(2023)— Booking.com「日本で最も居心地の良い場所」第1位に選定

行政

小国町役場の所在地は、熊本県阿蘇郡小国町大字赤馬場(あかばば)143番地です。郵便番号は869-2492。現在の町長は髙橋周二(たかはししゅうじ)(2025年現在)。

町の木はスギ、町の花はリンドウ、町の鳥はウグイスと定められています。

基本データ(2025年現在)

  • 面積:115.90平方km
  • 総人口:3,737人(男1,776人・女1,961人、令和8年(2026)5月末現在)
  • 世帯数:1,912世帯(令和8年(2026)5月末現在)
  • 人口密度:約32.2人/平方km
  • 市町村コード:43423-0

産業

小国町の主産業は農林業です。高冷地の気候を活かした野菜栽培、あか牛の飼育、小国杉(おぐにすぎ)の林業などが盛んです。あか牛は阿蘇の広大な草原放牧される褐色の肉牛で、南小国町を含む阿蘇地域を代表する畜産物です。

観光業も重要な産業で、黒川温泉をはじめとする温泉地が全国から旅行者を集めています。平成28年(2016)熊本地震では観光業に大きな打撃がありましたが、その後回復しています。

世界農業遺産

平成25年(2013)、阿蘇地域の草原管理を中心とした農業システムが国連食糧農業機関(FAO)の「世界農業遺産(GIAHS)」に認定されました。南小国町もその認定地域に含まれており、数百年にわたって続く野焼き(のやき)と放牧による草原の維持が高く評価されています(国連食糧農業機関 GIAHS)。

温泉

小国町には「南小国温泉郷(みなみおぐにおんせんきょう)」として知られる複数の温泉地が点在し、温泉観光が町を代表する産業の一つとなっています。

黒川温泉

黒川温泉は、南小国町満願寺(まんがんじ)地区にある温泉郷で、田の原川(たのはらがわ)の渓谷沿いに約30軒の旅館が立ち並びます。全国屈指の人気温泉地として知られ、平成21年(2009)版ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで、温泉地としては異例の二つ星に選ばれています。「黒川温泉」の名称は平成18年(2006)に地域団体商標として商標登録されています。

江戸時代中期には湯治場として知られており、肥後細川藩の役人が利用する「御客屋(おきゃくや)」が置かれていたと伝えられています。昭和36年(1961)に黒川温泉観光旅館協同組合が設立され、昭和61年(1986)には全旅館の露天風呂を一枚で巡れる「入湯手形」の制度が導入されました。入湯手形には地元の小国杉が用いられています。

温泉街全体がまるで一つの旅館」という「黒川温泉一旅館」のコンセプトのもと、景観の統一や植栽整備が進められ、看板の整理、雑木の植樹(これまでに2万本以上)などにより独自の里山景観が形成されています。平成28年(2016)の熊本地震では旅館2軒が全壊し、1ヶ月で4万2千件超のキャンセルが発生するなど大きな被害を受けましたが、その後ほぼ地震前の水準に回復しています(黒川温泉観光旅館協同組合)。

泉質は主に硫黄泉で、源泉温度は80〜98℃。宿によって炭酸水素塩泉・塩化物泉・含鉄泉など多様な泉質が見られます。

満願寺温泉

満願寺温泉(まんがんじおんせん)は、南小国町満願寺地区を中心に広がる温泉で、地域の人々に長く親しまれてきた共同浴場が現在も利用されています。

その他の温泉

田の原温泉(たのはらおんせん)、小田温泉(おだおんせん)など複数の温泉地が南小国町内に点在しています。

自然と景観

瀬の本高原

瀬の本高原(せのもとこうげん)は、南小国町南部のやまなみハイウェイ沿いに広がる高原地帯で、阿蘇五岳(あそごがく)と九重連山を一望できる景勝地です。熊本県が選ぶ「熊本緑の百景」第1位に選ばれています。草原の中をやまなみハイウェイが走り、四季折々の高原風景が広がります。

立岩水源

立岩水源(たていわすいげん)は、南小国町内の湧水地で、清澄な水が豊富に湧き出しています。筑後川源流域の清らかな水を象徴する場所の一つです。

交通

鉄道は町内を走っていません。近隣の鉄道駅としては、JR九州豊肥本線(ほうひほんせん)の阿蘇駅阿蘇市)や肥後大津駅(ひごおおつえき)が利用されます。

道路は、大分県・熊本県道11号別府一の宮線(やまなみハイウェイ)が町内の瀬の本高原を通過し、主要な観光ルートとなっています。国道442号も主要道路の一つです。

バスは九州産交バスによる九州横断バス(熊本〜別府・由布院方面)が黒川温泉に停車するほか、福岡〜黒川温泉間を結ぶ高速バスも運行されています。

食文化

あか牛丼

阿蘇地域一帯で育てられるあか牛を使った丼料理で、南小国町を含む阿蘇地域の代表的なご当地グルメです。あか牛の赤身肉の旨みを生かした料理として知られています。

こわけランチ

小国町が推進する食のまちづくりの取り組みで、こわけランチ手形を用いて加盟する複数の飲食店でそれぞれ少量ずつ食べ歩きができる仕組みです。そば街道の蕎麦やあか牛料理など郷土色豊かなメニューのほか、地域住民が日常的に通う店も参加しています。

教育

小国町内には中学校1校・小学校3校が設置されています。高等学校は町内には設置されておらず、進学する場合は隣接する阿蘇市小国町の学校を利用しています。

南小国町出身・ゆかりの著名人

常田富士男(ときたふじお)(昭和12年(1937)〜平成30年(2018)) 俳優・ナレーターで、テレビアニメ『まんが日本昔ばなし』(まんがにほんむかしばなし)の語りとキャラクター声優として知られています。出生は長野県ですが、小学3年生から中学校卒業まで南小国町で育ちました。

エスパー伊東(えすぱーいとう) タレント・コメディアン。本籍地が南小国町にあります。

よくある質問

Q. 南小国町はどこにありますか? A. 南小国町は熊本県阿蘇郡に属する町で、熊本県北東部、大分県との県境近くに位置しています。阿蘇外輪山と九重連山の山あいにあり、標高430〜945mの高原地帯です。

Q. 黒川温泉は南小国町にあるのですか? A. はい。黒川温泉は南小国町満願寺地区にある温泉郷で、田の原川沿いに約30軒の旅館が立ち並ぶ全国的に有名な温泉地です。「黒川温泉」の名称は地域団体商標として登録されています(平成18年)。

Q. 南小国町の人口はどのくらいですか? A. 令和8年(2026)5月末現在の総人口は3,737人(男1,776人・女1,961人)、世帯数は1,912世帯です(南小国町公式サイト)。町全体の面積115.90平方kmに対して人口密度は約32.2人/平方kmと低く、農林業と観光業を主産業とした農村です。

Q. 黒川温泉の入湯手形とは何ですか? A. 入湯手形は昭和61年(1986)に黒川温泉観光旅館協同組合が導入した仕組みで、一枚の手形で加盟する旅館の露天風呂を複数か所めぐることができます。手形には地元の小国杉が用いられており、温泉めぐり文化として全国の温泉地に広まりました。

Q. 南小国町世界農業遺産に関係していますか? A. はい。平成25年(2013)に阿蘇地域の草原農業が国連食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産(GIAHS)に認定され、南小国町もその認定地域に含まれています。野焼き放牧による草原管理が高く評価されています。

参考文献

更新日: 2015-01-22 (木) 00:00:00 (4235d)